生命保険に入っているか確認する方法の備忘録

親に「生命保険に入っている」と言われたけど保険会社を聞いてなかったので
亡くなった時にどこに請求するのか分からない、といったことがあるかもしれません。

いざ請求するとなった時に困らないよう、
故人がどの生命保険に入っているかを確認する方法について詳しく見ていきましょう。

故人がどの生命保険に入っているかを確認する方法

故人かどうかに限らず、
近しい親族がどの生命保険に入っているかを確認する方法はいくつかあります。

一番確実なのは「保険証券を確認すること」です。

保険証券は保険会社と被保険者との間で保険契約が成立していることを
証明するもので、保険に加入している被保険者には必ず交付されています。

契約している保険会社はもちろん
 ・証券番号
 ・契約者、被保険者、受取人の名前
 ・保険料
 ・給付金
 ・保険期間
など生命保険金の請求に必要な情報が保険証券には全て掲載されています。

逆に言うと「保険証券さえ見つかれば生命保険金を請求するのに困らない」のです。

故人が生前に大事な物をしまっていた場所や通帳などお金関係の物を
しまっていた場所に保険証券も入っている可能性があります。

保険会社からの郵便物を確認

故人が生命保険に入っているか確認する方法として、
「故人宛てに保険会社から送られてきた郵便物」も挙げられます。

生命保険に加入していると保険会社から定期的に郵便物が送られてきます。

必ずあるのは「ご契約内容のお知らせ」や「生命保険料控除証明書」で、
それぞれ年に1回は送られてきているはずです。

加入している生命保険が満期型なら、
「満期」「満期保険金」「給付金」「保険期間満了」「更新」などの案内が送られてきます。

満期の案内は大事に保管している可能性が高いですが、毎年送られてくる
契約内容のお知らせは他の郵便物とともに無造作に保管されていることも多いです。

保険会社からの郵便物が家の中にあれば、
故人が何らかの保険に加入している可能性が高いです。

郵便物の内容を元に保険会社に連絡して、
故人がどういった保険に加入しているか確認しましょう。

通帳やクレジットカードの明細を確認

故人が使っていた通帳やクレジットカードの明細でも、
生命保険に入っているかが確認できます。

生命保険に加入していれば、毎月必ず保険料を保険会社に支払っています。

保険料を口座振替で支払っていると通帳に、クレジットカード払いにしていると
クレジットカードの明細に支払い先の保険会社の名前が記載されているはずです。

保険料の支払い先である保険会社に連絡して、
故人が加入している保険内容を確認して保険金を請求しましょう。

払込書を使って現金で支払っている場合でも、
財布などに払込証明書が残っているはずです。

払込証明書以前に払込書を保険会社が送ってくるので、
保険会社からの故人宛て郵便物が残っている可能性が高いです。

ただし保険証券番号が分からないと、契約者本人以外が保険会社に問い合わせても
保険内容が確認できないことがあります。

故人が契約している保険会社だけで証券番号が分からない場合は、
他の方法と組み合わせて確認するしかありません。

パソコンやスマホで確認

故人がパソコンやスマホを使っていた場合は、パソコンやスマホの中に
加入している生命保険に関するデータが残っている可能性があります。

最近は保険会社もペーパーレス化を推進しており、
各種お知らせや案内はもちろん保険証券も電子化されています。

家の中をひっくり返しても保険証券が見つからない場合は、
故人が保険証券を電子データとして保存している可能性が高いです。

保険証券を電子化すると保険料が少し安くなることもありますから、
デジタルに強い人は保険証券を電子データで保存していることが多いです。

パソコンやスマホのブラウザに保険会社のホームページがブックマークされていないか、
メールボックスに保険会社からメールが送られてきていないかチェックしましょう。

ブラウザにはログインIDやパスワードを記憶して、
ログインの際に自動入力する機能が備わっています。

故人が使っていたパソコンやスマホからであれば、IDやパスワードが分からなくても
自動入力機能を使うことで保険会社のホームページにログインできます。

故人の勤務先で確認

故人が亡くなるまで会社勤めをしていた場合は、
勤務先で故人が生命保険に入っているか確認できることがあります。

会社によっては団体で生命保険に加入していることがあって、
その場合は詳しい保険内容や請求方法も勤務先で教えてもらえる可能性が高いです。

会社で生命保険に加入してなくても個人で加入していれば、
年末調整の際に「生命保険控除証明書」を経理担当者に提出しています。

既に退職していると無理ですが、亡くなるまで会社勤めをしていたのなら
勤務先に故人の生命保険について問い合わせるのも1つの方法です。

生命保険契約照会制度で確認

保険証券など故人が生命保険に入っているか確認する手がかりが一切無い場合は、
「生命保険契約照会制度」を利用しましょう。

生命保険契約照会制度は「一般社団法人生命保険協会」が行っているもので、
保険会社42社に故人の保険契約の有無を一括で照会できます。

制度自体は最近できたものではありませんが、以前は災害で親族が亡くなったり
行方不明になった場合や保険証券を紛失した場合しか利用できませんでした。

2021年7月以降は、亡くなった原因や保険証券の有無に関わらず
故人の保険契約の照会ができるようになったのです。

ちなみに故人だけでなく、
親族が認知症などで判断能力が著しく低下した場合も利用できます。

ただし災害で亡くなったり行方不明になったりした以外は、
照会するのに1件3,000円の手数料が必要です。

親の保険契約を照会する場合、
父・母のいずれかのみなら3,000円ですが両親ともなら6,000円となります。

生命保険契約照会制度を利用するには

生命保険契約照会制度は誰でも利用できるわけではなく
 ・照会対象者の法定相続人
 ・照会対象者の法定相続人の法定代理人、任意代理人
 ・照会対象者の遺言執行者
 ・照会対象者の遺言執行者の任意代理人
のいずれかのみが利用できます。

任意代理人は「弁護士」「司法書士」「行政書士」に限られており、
それ以外の任意代理人では生命保険契約照会制度は利用できません。

法定相続人が利用するには、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類と
法務局認証済みの法定相続情報一覧図が必要です。

法定代理人が利用する場合は、本人確認書類と法定相続情報一覧図に加えて
法定代理人であることを証明する書類が必要となります。

遺言執行者の場合は、本人確認書類と照会対象者の除籍謄本、
検認済みの遺言書もしくは遺言公正証書、紹介代表者の印鑑証明書が必要です。

必要書類を用意したら、生命保険協会のホームページから直接申請するか
申請書を取り寄せて郵送で申請します。

申請して料金を支払ったら、
2週間程度で各保険会社から故人の保険契約の有無が照会者に直接知らされます。

知らされるのは保険契約の有無のみで、保険内容や保険金の請求については
各保険会社に直接問い合わせなければいけません。

生命保険契約照会制度の詳細については、生命保険協会のホームページ
(https://www.seiho.or.jp/contact/inquiry/)を参照してください。

また照会制度の利用に必要な法定相続情報一覧図については
法務局のホームページで詳細が確認できます。
(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000014.html)

まとめ

近しい親族が亡くなると、葬儀や相続手続きなどで悲しむ暇が無いほどに
しばらくは忙しい時間を過ごすことになります。

しかし生命保険金の請求には3年の時効があり、忙しくしている内に生命保険のことを
忘れてしまうと保険金が受け取れなくなる恐れがあるのです。

親など近しい親族が亡くなった時のことを考えるのはイヤですが、亡くなってから
バタバタしないよう健在な内に保険証書の所在ぐらいは確認しておきましょう。

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